顧客対応チェックリスト 15
1.臨機応変な対応が必要なので、対応マニュアルは作成しない
・ → 対応者が判断に迷ったり、誤った言動しないように注意してください
2.「私が何をして欲しいかわかっているの?」と言われたことがある
・ → お客様や消費者からのお申し出の内容を、正確に捉えていますか?
・ 何が話の焦点なのか、何をどうして欲しいのか、を勝手に決めつけていませんか?
3.顧客対応は、技術に詳しい品質管理や工場担当者の仕事であると考えている
・ → 対話能力、交渉能力の高い従業員を、営業部門に集中させ過ぎていませんか?
4.対応中に、お申し出者の満足度を測ることなんてできるはずがない
・ → できるだけ、一度の対応で円満解決を目指しませんか?
5.「前に言ったことと違う!」と言われたことがある
・ → 対応には一貫性が必要です。回答や対応のブレはなくしましょう
6.苦情処理は、仕事のできない従業員にやらせておくものだ
・ → 顧客対応を取り巻く環境は、昭和の時代とは変わっています
7.自然消滅を狙った案件が、後日、トラブルに発展したことがある
・ → 完全解決させずに、「危ういリスク」を残したままにすることがありませんか?
8.対応者の勝手な思い込みで、過去にトラブルになったことがある
・ → 事実と類推を完全に分けていますか?
・ 類推は、対話中に明確させることを心掛けていますか?
9.担当部門に所属すると、自動的に対応者として対応させている
・ → 適性のない人、適性の向上が困難な人に対応させていませんか?
10.昔から同じお申し出が起きているので、仕方がないと思っている
・ → 再発防止につながる真の原因である「真因」を掴んでいますか?
・ 商品開発や工程改善につながるヒントを捉えていますか?
11.インターネットの自社への書き込みは気にしない
・ → 気付かない間に、ネットで自社の不満が蔓延していることはありませんか?
12.時折、お客様に振り回され過ぎてしまったと後悔することがある
・ → どの様な対応をするかという方針は、芯の通ったものになっていますか?
13.対応者が自信をもって前向きに対応できる環境を準備する必要はない
・ → 顧客満足を達成するには、従業員満足にも目を向けてください
14.細かいことについて申し出てくる人は、相手にしないようにする
・ →「厄介な人」として区分けしてしまう前に、自社で出来る限りの対応をしていますか?
15.怖そうな人はお金で解決する。お礼状が届くと、お礼として商品をたくさん送る
・ → 簡単に金銭や商品をくれる会社だと思われていませんか?
16.クレームは起きるものだ。仕方がない。
・ → お問合せ下さい。
○はいくつありましたか?
5個以下 顧客対応に前向きに取り組み、成果を出している企業 5~ 8個 一般的な企業 8~12個 お客様相談室について再検討してください 12個以上 すぐにご連絡ください
「苦情処理係」から、外向きの「顧客対応部門」への変化
高度成長期の昭和中期、日本では公害問題や事件事故が増加し、大手企業を中心に増加した消費者からのお申し出を専門的に取り扱うクレーム対応部門が創設されていきました。その当時でも現在と変わらず、消費者が抱く疑問や不安、そして不満などのご申し出をお伺いするのが日常業務だったそうです。
しかし、頂いたお申し出をどの様に扱うのかは、受け取った担当者の捉え方や企業の経営方針などによって分かれます。お申し出に対して真摯に対応することで、自社製品や自社の体制を改善できるケースもあれば、受け取ったお申し出をどの様に取り扱えばよいのかが分からず、答えを探し求めて四苦八苦することもあったようです。昔は顧客対応部門のことを「苦情処理係」と呼ぶこともあり、顧客対応部門にはすっかり悪いイメージが付きまとうようになってしまいました。私も担当することになったときは、格好悪すぎて逃げ出したい気分でした。
時が経つに連れ、「クレームはチャンスだ」という考えが浸透し、頂いたお申し出の活用方法として適切な対応方法を見出していく企業が増えていきました。しかし、その対応ノウハウは企業独自のものが多く、消費者からのお申し出に対して確実にPDCAサイクルを廻して企業全体でマネジメントシステムとして取扱う企業もあれば、対応当事者が各々の対応をする企業など様々です。
1995年以降、急速に発達したインターネットによって、個人や小規模事業者でも商品の国際取引が可能となりました。不慣れな事業者や異なる文化間によって商品トラブルの多発が懸念されたため、2004年には国際標準化機構(ISO)によってISO10002というが制定されました(日本版のJIS10002は2005年に施行)。このISO10002は、よく聞く「認証」ではありません。あくまでも対応指針(ガイドライン)であり、自己適合宣言をすることで社外に明示します。
こうして、お客様や消費者からのお申し出には「マネジメントシステムで取り組むことが望ましい」ということが示されましたが、実際には「どの様に取り組めば良いのか?」という命題に苦慮しておられる企業様が多いようです。
・対応に時間が掛かり過ぎている(もっと早く対応できるはずだ)。
・何年も同じトラブルに悩まされている。
・お申し出者や、取引先に主導権を握られ過ぎていると思う。
というようなお客様相談室の運営についてお悩みをお持ちの企業様を実践的にバックアップさせて頂きます。
まずはお気軽にご相談ください。